2008年7月13日日曜日

2008年4月xx日:  ドキュメントコントロールへ移る

上がったり下がったりしながら、全体には下降のトラジェクトリーを描いているのが私の仕事史なんですが、今は、サンフランシスコ・ベイの向こう側にある、ぜんぜんかっこよくない町の、建物内部が今まで見た会社の中で一番アグリーな会社へ、毎日、車で通ってます。

このアグリ会社で仕事を始めたのは今から約一年前、ガソリンは1ガロン2ドルちょっとだったんですが、今年(2008年)の4月から、あれよ、あれよと毎週値上がりし、今は4ドル50セント! 

ガソリンの値段が上がるのと機を一にして、私の部内では前から鳴いていた閑古鳥が、隠しようも無く、大声で鳴き始めました。

そんなある日の夕方、駄目ボスに退社の挨拶をし終わって帰ろうと向きを変えたところ、いつのまにか会社のセカンド・トップであるスティーブが、私の30センチ目の前に立ってるではないか。

事態を飲み込めずボッーと突っ立ってると、スティーブは私を厚いメガネの奥の黄灰色の目でジーっと見つめたまま、バタンと後ろ手でドアを閉めました。これは良くないサイン。いつか来るとは一応、予想してましたが、変な日の、変な時間にきたものよ!落ち着け、落ち着け、ピリット!


ピリット: 急に後ろに立ってるんでびっくりしたわ。ニコ、ニコ。
スティーブ: 音も無く後ろから社員に近づくってのも、マネージャーのトレーニングで習う、欠かせぬ技術なんだよ。ハッ、ハッ、ハッ。
ピリット: (本当かい?)
スティーブ: ピリット、ゴホ、ゴホ、ゴホッ、(顔を真っ赤にして)ドキュメントコントロールをちょっとやって見るなんてアイデア、どう思う?


えええェ〜? これは思ってもない方向へ話が展開。そんなことやったこともないし、給料があがる路線でなさそうだし、いいと言った方がいいのか、悪いのかの判断がつきませーん。だけど、駄目ボスのもとでは意味ある仕事はゼロで退屈、経験は増やせる時は増やした方がいいかな。かといって、あまり熱心に駄目ボスから逃げ出したいと思っている本音をここで露骨に見せるのは、本人のいる手前、ちと失礼と思い、次のような手にでる。


ピリット: スティーブは渡辺さんとは既に話し合いをされているんでしょう? 渡辺さんが良いと言ってるなら、喜んでドキュメントコントロールの仕事をしてみましょう。やったことの無い事は、興味あります。しばらくの間のことなんでしょう?
スティーブ: ゴホ、ゴホ、ゴホッ、ムー、そうだね、3ヶ月から6ヶ月ぐらいだね。引き受けてくれて有り難う!(ホッとした表情。この間、駄目ボスの方は、一度も見なかった。)


というわけで渡辺駄目男部から、ドキュメントコントロールへ貸し出しという事になった。

駄目ボスはスティーブが去った後、感極まった面持ちで、「仕事が忙しくなったら、必ず呼び戻してあげるからな」ですって。

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